記憶処理剤分類ガイド

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この文書は当初、保護部門内の雑務に内密で利用するため作成されましたが、この度一般利用のために機密解除されました。これは記憶処理剤が機構内および様々な部門で広く使用されるようになった事実による決定です。

記憶処理剤とは、機構が情報の拡散を制御、抑制するために使用される、記憶に影響する薬物です。最も一般的に使用されるクラスAは、個人に対しある期間の記憶を消去します。クラスG、P、R、Tは特殊なクラスであり、それぞれ特定の目的に使用されます。

クラスA

クラスA記憶処理剤は主要かつ最も基本的な記憶処理剤の種類です。注射、錠剤の服用、または鼻腔内への投薬によって最近の記憶を即効かつ完全に消去します。消去される概算時間は投薬量に相関します。クラスA記憶処理剤には三つのグレードが存在し、それぞれの適切な投薬量は対象の体重に相関します。最新のクラスA投薬量指標は主任研究員に確認してください。
分類 説明

クラスA-1

クラスA-1記憶処理剤は過去2-6時間のあらゆる記憶を完全に消去します。グレードA-1は非常に安定しており、想定外の副作用の可能性は稀な状況を除いてほとんど無視できるものです。

クラスA-2

クラスA-2記憶処理剤は過去10-20時間のあらゆる記憶を完全に消去します。度重なるクラスA-2の使用は軽度の偏執病、極端な場合は精神異常や統合失調症の挙動を引き起こす可能性があります。

クラスA-3

クラスA-3記憶処理剤はクラスAの中で最も使用頻度の低いグレードで、過去5-8日間のあらゆる記憶を完全に消去します。クラスA-3記憶処理剤は信頼性に欠けるもので、しばしば効果を発揮せず、頻繁に継続的なトラウマを誘発します。クラスA-3記憶処理剤は特定の場合にのみ使用してください。

クラスA-X

A-3を超える投薬量は総じてグレードA-Xと呼ばれます。クラスA-X記憶処理剤は非常に不安定で、記憶処理剤として用いることはほとんどできません。

特殊クラス

分類 説明

クラスG (ガスライターGaslighters)

ガスライターの名でも知られるクラスG記憶処理剤は、クラスA記憶処理剤への世代交代と共に当初は廃止されていましたが、現在は特定の状況に使用する目的で再び用いられるようになりました。クラスG記憶処理剤は、注射または鼻腔内への投薬により気体として投与することで、永続的な記憶改変をもたらします。ガスライターは、グレード1ガスライター(G-1)とグレード2ガスライター(G-2)の2つの処理剤からなり、これらはその効果によって分類されています。

クラスG-1

グレード1ガスライターは使用の三日前まで作用し、軽度の記憶改変をもたらします。例えば、対象は自身が前日着ていた服の色に関して事実と異なる記憶を持つようになります。自身の記憶が正しくないという証拠を提出されたり、他の人物が記憶と矛盾する話を詳細に語られたりすると、対象は葛藤に陥ることがあります。グレード1ガスライターはしばしば対象に、最近の出来事を思い出す能力への疑念や、知人が自分を騙しているのではないかという被害妄想を引き起こします。このような効果は繰り返し服用することで増大します。

クラスG-2

グレード2ガスライターは使用の三か月前まで作用し、中程度から過剰な記憶改変をもたらします。対象はしばしば重要な経験の記憶を改変されるか、実際には存在しない出来事の記憶が完全に捏造されることがあります。グレード2ガスライターを使用された人物は通常極度の偏執病と妄想に陥り、多くの場合自殺を試みます。度重なるグレード2ガスライターの服用は、ほとんどすべてのケースで完全な精神異常を引き起こしています。

クラスG-3

グレード3ガスライターはSRT(Specialized Reconditioning Treatment)職員が繰り返し投与することを意図した、低用量で弱効果の記憶処理剤です。G-3記憶処理剤は記憶改変の程度に応じ、数日から数週間の間継続して服用することでその効果を最もよく発揮します。理論上は生涯の記憶すべてを書き換えることが可能ですが、ある期間を超えると対象は、非常に不安定1になるか、あるいは昏睡状態に陥る可能性もあることから、G-3記憶処理剤の使用期間はふつう二ヶ月から一年となっています。
留意するべきなのは、ガスライターは使用以前の記憶にのみ作用することです。現在進行の経験から形成された記憶には一切影響しません。

クラスP (順行性記憶処理剤Proactive Amnestics)

クラスP記憶処理剤は主剤(P-1)と副剤(P-2)の二つの成分からなります。まず対象に主剤を注射し、時間を置いて副剤を注射すると、対象はP-1注射からP-2注射までに形成されたすべての記憶を突然失います。順行性記憶処理剤は注射によってのみ効果を発揮します。

対象が主剤の注射からおよそ二か月以上副剤を注射されなかった場合、主剤は不安定化します。不安定化すると、自発的に活性化あるいは不活性化する可能性があります。

クラスR (遠隔記憶処理剤Remote Amnestics)

遠隔記憶処理剤の名でも知られるクラスR記憶処理剤は、機構によって兵器利用される認知ハザードと情報ハザードを説明する一般的な用語で、直接的な接触を必要とせずに人物を記憶処理したり、大規模な集団を同時に記憶処理したりする際に用いられます。同一人物に複数回使用した場合、遠隔記憶処理剤は幻覚や妄想の他、精神状態の悪化を引き起こす傾向があります。そのため、大規模な集団に対するクラスR記憶処理剤の使用は固く制限されており、統括管理官の承認が必要です。

クラスT (一過性記憶処理剤Temporary Amnestics)

クラスT記憶処理剤はクラスA記憶処理剤のように記憶消去をもたらしますが、一定の時間が経過すると、対象は数日かけてすべての消去された記憶を取り戻します。クラスT記憶処理剤は注射によってのみ効果を発揮します。クラスT記憶処理剤にはいくつか種類が存在しますが、それぞれの記憶が失われる時間と記憶が戻り始める時間は決まっています。使用目的に応じて特定の種類を使用しなければなりません。
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